第34回 吉田富三賞(令和7年)
牛島 俊和(うしじま としかず)先生
第34回 吉田富三賞(令和7年)受賞者
牛島 俊和(うしじま としかず)
プロフィール
- 生年月日:1962年(昭和37年)1月
- 出身地:神奈川県
-
現職:
星薬科大学 学長
学歴・職歴
学歴
- 1986(昭和61)年 東京大学医学部医学科卒業
職歴
- 1986(昭和61)年 東京大学病院内科研修医
- 1987(昭和62)年 東芝林間病院内科医師
- 1988(昭和63)年 東京大学病院第三内科に入局
- 関東逓信病院血液内科医師
- 1989(昭和64)年 国立がんセンター研究所発がん研究部リサーチレジデント
- 1991(平成3)年 国立がんセンター研究所発がん研究部 研究員
- 1994(平成6)年 国立がんセンター研究所発がん研究部 室長
- 1999(平成11)年 国立がんセンター研究所発がん研究部 部長
- 2010(平成22)年-22年 同 エピゲノム解析分野分野長(組織改組)
- 2011(平成23)年-14年 国立がん研究センター研究所 上席副所長
- 2020(令和2)年-22年 国立高度専門医療研究センター医療研究連携推進本部(JH)
- 副本部長(併任)
- 2022(令和4)年 星薬科大学 学長 (至現在)
留学
- 1994(平成6)年-95年 米国 Massachusetts Institute of Technology 〇主な受賞
主な受賞
- 1997(平成9)年 日本癌学会奨励賞
- 2009(平成21)年 日本癌学会Mauvernay賞
- 2012(平成24)年 がん研究センター医学会総長賞
- 日本消化器癌発生学会田原榮一賞
- 2013(平成25)年 日本ヘリコバクター学会上原ヘリコバクター賞
- 2018(平成30)年 ベルツ賞(一等賞)
- 高松宮妃癌研究基金学術賞
- 2024(令和6)年 安田医学賞
専門研究分野
DNAメチル化と発がん、エピジェネティクス、化学発がん
主な研究
- 1989(昭和64)年–1994(平成6)年 食品中発がん物質による突然変異の研究
- 1993(平成5)年–現在 MNNGによる胃がん感受性の研究
- 1995(平成7)年–現在 エピジェネティックな発がん機構の研究
- 1997(平成9)年 MS-RDA法の開発
- 2002(平成14)年 胃がんでサイレンシングされる遺伝子の網羅的同定
- 2005(平成17)年 N-mycよりも神経芽細胞腫予後との相関が強いマーカーの開発
- 2006(平成18)年 エピジェネティックな発がんの素地の存在の証明
- ピロリ菌によるDNAメチル化異常誘発の解明
- 2010(平成22)年 DNAメチル化異常誘発における特定の炎症の関与の解明
- 2013(平成25)年 エピジェネティックな発がんの素地を用いた発がんリスク診断の臨床的有用性の証明
- 2017(平成29)年 手術フリーの乳がん治療に向けたメチル化マーカーの同定
- 2019(平成31)年 稀な突然変異を定量するEco-Seq法の開発
- 2025(令和7)年 DNAメチル化異常を用いた除菌後健康人のリスク層別化
受賞タイトル
Helicobacter pyloriによるDNAメチル化異常誘発の解明とその胃がんリスク診断への応用
受賞理由
発がん過程におけるDNAメチル化異常に着目し、世界に先駆けてゲノム網羅的なDNAメチル化 異常の探索手法であるMS-RDA法を開発された。さらに、当時は正常と考えられていた非がん部 胃粘膜にもDNAメチル化異常が存在することを見出し、「エピジェネティックな発がんの素地」 という概念を提唱された。その後、DNAメチル化異常の測定と定量を通じて、高精度なリスク 診断が可能であることを実証し、がん個別化医療の進展にも大きく寄与された。