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吉田富三記念館の15年
内田 宗寿
吉田富三記念館の開館は平成5年10月1日ですから今年で15周年を迎えます。 吉田富三博士は、癌の人工生成と、癌細胞の究極の姿と言われる「吉田肉腫」の発見などで今日の癌研究に 大きく貢献しました。 吉田富三記念館は、博士の偉業を後世に伝えるために福島県浅川町が建設し、運営は財団法人浅川町吉田 富三顕彰会が行っています。 記念館に期待する私達の希望は沢山あります。 @地域住民の健康意識の増進。 A青少年教育の基幹とすること。 B癌研究会、国立がんセンター、その他の先生方のご指導を賜り、学術的にも高い評価を得ること。 C町内、県内外からの多数の来館者を得て文化の向上を図ることなどです。 以上のような考え方を具体的にどのように実践してきたのかを簡潔に述べてみます。 @ 吉田富三賞の制定 日本癌学会と浅川町吉田富三顕彰会が共同して、癌研究に功労のあった人に贈る。 第一回受賞者は国立がんセンター名誉総長杉村隆先生、第二回は癌研究会顧問菅野晴夫先生で、以後毎 年癌研の究功労者に贈られています。今年度は第17回になります。この賞が癌研究の推進に役立っているこ とは間違いありません。 A吉田富三子ども科学賞 この賞は、福島県小学校教育研究会理科部会の協力のもとに、毎年夏休みを中心として行われる、児童たち の理科の観察、実験の記録を一つに纏めた作品を、審査して、各学年の最優秀賞の児童に贈るもので、県内の 科学教育に貢献しています。今年度で15回になります。 B 科学教室の実践」 町内の小学校の三年生以上の児童を対象にして、年に5回程度、町内の小中学校の先生のご協力を頂き、 自然の観察、実験の学習をしています。 C健康教室講演会の開催 これは、地域の人たちの健康増進と、健康な生活習慣の自立を求めて実践しています。 講師は癌研究の権威ある先生を招聘して、癌のさまざまな病変について学んでいます。 D詩を書こうコンクールの実践 これは県内の大人、小中学生を対象にして詩の募集を行い、心に残る優れた詩に賞を贈り、一冊の詩集を発 刊しています。心の温かな、知恵のある人間の育成を求めています。又、正しいコトバの習得にもつとめていま す。今年度で3回になります。 以上が吉田富三記念館を中心として実践してきた事業内容ですが、町、県内外の方々から賞賛の声をお聞き していますが、私たちはそれに驕ることなく精進を続けていきたいと考えています。 最後になりましたが、平成6年8月19日に常陸の宮様の御来館を賜りましたことは。記念館の誇りであり、私 達の喜びとしましても忘れられないことでもあります。 私達の大きな希望は、吉田富三記念館を地域の、日本の文化財産に育てていくことであります。 |