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吉田富三賞
 


第20回 平成23年
前田 浩
(まえだ ひろし)
受賞タイトル
「感染における生体内ラジカルの生成」、ならびに「癌化学療法における高分子型制癌剤の
研究とEPR効果の発見」

<経歴>
兵庫県立龍野高校、東北大学農学部を経てカリフォルニア大 大学院(フルブライト奨学
生)、東北大博士課程修了。東北大医学部助手(細菌学)、ハーバード大学癌研究所研究
員、熊本大医学部教授(微生物学)、熊本大名誉教授、崇城大薬学部教授・特任教授を歴
任。(医博、農博)。

<賞等受賞暦>
米国サンアントニオ市名誉市長、オクラホマ州名誉州民、日本細菌学会浅川賞、高松宮妃
癌研究基金学術賞、ドイツFrey Werle財団金賞、米国CRS学会賞、王立英薬学会 Life
Time Achievement Award、西日本文化賞(西日本新聞社)、日本DDS 学会永井賞、日本
癌学会吉田富三賞(平成23年 10月)、その他受賞    

<受賞内容>
前田教授はウイルスや細菌学などの感染局所において生体側の応答としてスーパーオキ
サイドやNOなどラジカル分子が大量に生成し、細胞や核酸に傷害(変異など)を起こすことを
初めて明らかにしました。また、世界で初めての蛋白性制癌剤ネオカルチノスタチンの研究
からスマンクスの創製という世界初の高分子型制癌剤を完成させ、さらに高分子型薬剤が、
腫瘍局所の血管透過性の亢進という現象に基づき、腫瘍部に選択的にデリバリーされるこ
とを見出しました。その現象「EPR効果」は昨年は世界で約8千件も引用されています。以上
のような業績が吉田賞に値するものして日本癌学会吉田賞を受賞されました。EPR効果の
発見により、毒性がより少なくて、より奏効率のよい制癌剤開発の糸口が開けたといえま
す。